チャット型のAIツールと聞いて思い浮かべるのは、最近何かと話題となっているChatGPTではないでしょうか?
今回は、2023年の5月に日本語対応された「Google Bard(グーグルバード)」についてご紹介いたします。
Google Bardはその名の通りGoogleから開発された事実言語モデル型AIツールとなっていてGoogleアカウントがあれば簡単に使うことが出来ます。そんな「Google Bard」の使い方やメリット・デメリットとChatGPTとの比較について解説します。ぜひご覧ください!
Google Bardとは?
Google Bard(グーグルバード)は、Googleが開発・提供している会話型人工知能です。Googleが開発した大規模言語モデル「PaLM2」で構築されており、現在は試験運用版が一般公開されていて無料で使用することが出来ます。
2023年3月21日にアメリカ合衆国・イギリスで提供が開始され、2023年5月10日に日本語と韓国語に新たに対応しました。
ちなみに、バードと聞くと鳥のBirdを思い浮かべる方が多いと思いますが、Google Bardは吟遊詩人という意味の「Bard」のつづりになります◎
メリット
Googleアカウントを持っていれば簡単に始められる
AIに関わらずですが、新しいツールを試しに使う際、一番腰が重くなるのはアカウントを作ることでは無いでしょうか?
アカウントさえ作ってしまえばツールを使うことが出来ると分かっていても、メールアドレスを登録して、届いたメールで認証して、パスワードを設定して…そのくらいの事になるのですが、「すぐに使わなくなる可能性もあるしなぁ」と思ってしまい少し手間に感じてしまうんですよね。
しかし、Google BardはGoogleアカウントを持っていて且つ18歳以上の方だったらすぐに使うことが出来ます。
パスワードの設定もメールアドレスの登録、認証も無しで始めることが出来てしまい拍子抜けしたくらいです。手軽に始めたい方にはとてもオススメです!
ではGoogleアカウントをすでに持っているという方向けに使い方をご紹介させていただきます。
まず、Google Bardを開くと下の画像のようにGoogle Bardが何が出来るかというページが出てきますので、右下の「Bardを試す」のボタンをクリックしてください。
「Bardを試す」のボタンを押すと、利用規約とプライバシーポリシーの文章が出てきますので、読みながら一番下までスクロールします。そうすると右下に「同意する」ボタンが出てくるのでクリック。
最後に試験運用中のサービスとの案内が出てきますので「続行」をクリック。Bardに関する新着情報が欲しい場合はチェック項目をチェックしてからクリック。
以上がBardを始めるまでの手順になります。なんと3STEP。ビジネスだけではなく、日常生活にも使える気軽さですね!
GmailなどのGoogleサービスとの連携が簡単
Google BardはGoogleのAIツールになるので、Gmailとの連携も簡単に行うことが出来ます。
例えば下の画像のように「上司に電車遅延で20分遅刻 ビジネスメール」と打つと、メール文を作ってくれます。
ここまでは、他のAIツールでも同じような機能がありますが、Bardの強みはこの文章を簡単にGmailと連携させることが出来るところです。やり方は画面の赤丸で囲ったところをクリックするだけ。
1つ注意点としては、Gmailに下書きを送った際、件名がBardに依頼した内容になっているので、こちらは必ず直すようにしましょう。文面も少し直す必要がありますがとっても簡単ですね!
またGoogleスプレッドシートやGoogleドライブとも連携させることが出来ます。
例えば、「日本料理とイタリアンの比較表を作って」と入力すると2つの比較表を作ってくれて、ワンクリックでGoogleスプレッドシートへエクスポートしてくれます。GoogleドライブへはGmailの時と同じボタンをクリックすればOKです。
普段からGmailやGoogleドライブを使っている方にはとっても便利な機能ではないでしょうか?
提供してくれるデータが新しい
Google Bardは開発中とのことで常に新しいデータを持っていますので、最新のニュースも提供してくれます。
今回は「としまえん」の跡地に6月16日にオープンして話題となっていた「ハリーポッター」の施設について聞いてみました。
としまえんは今何になった?
としまえんは、2020年8月31日に閉園しました。跡地は、2023年6月16日に、世界最大の「ハリー・ポッター」屋内型施設「ワーナー ブラザース スタジオツアー 東京-The Making of Harry Potter」として開業しました。
としまえんの閉園日も書いてあり、完璧ですね!
デメリット
情報が間違っている可能性がある
こちらはBardに限らずですが、回答がすべて正しいとは限りません。質問する内容によっては、情報が古かったり、間違った情報を提供したりするときもあります。特に最新の情報は間違っている可能性がありますので鵜呑みにしないように気をつけてください。
もし情報が間違っていると思ったら、「悪い評価」を押してフィードバックを送っておきましょう。フィードバックを送ることでBardの理解力や回答力の向上に役立ち、回答が改善されます。
文字だけの説明で少し分かりづらい
これも人によりますが、Bardは文字だけで回答を出すので、少し分かりづらいです。例えば下の画像のように京都旅行のプランを立ててもらいましたが、文字だけでどんな観光地なのかが全然わかりませんよね。
ただ、こちらは2023年5月23日に画像検索に対応したことが発表されました。今はまだ「英語による入力」にしか対応していませんが、今後日本語でも対応されると思います。画像検索に対応されれば、下記の画像のように旅行プランを立てるときもイメージがつきやすいので便利になりますし、画像をクリックすれば画像元のサイトに飛んでくれるのでとても分かりやすいです。
ブラウザ版のみの提供
Bardは現在ブラウザ版のみのリリースとなっています。PCで使うときはブラウザ版でも良いのですが、スマホで使うときは個人的にはアプリでパッと開いて使えたら便利かなと思いました。
ただ、Bardはまだ開発途上との事で、これからスマホアプリやデスクトップアプリをリリースも計画しているみたいなので、今後に期待ですね。
今は無料で使えるが将来的には有料になる可能性がある
今(2023年6月末)は試験運用中のGoogle Bardですが、試験運用が終わった際に有料になる可能性があります。
有料化の理由としてはBardの開発に、多くの時間と労力がかかり、それを維持するためにはコストがかかるためだそうです。
ただ、試験運用後も無料で使用したいとの声は多いため、Googleは様々な検討をしているとの事でした。
月額料金などの情報はありませんでしたが、Chat GPTのように無料版も用意してもらえると嬉しいですね!
Chat GPTとの比較
では、Chat GPTとGoogle Bardの比較をしていきたいと思います。Chat GPTは現在、無料版と有料版がありますが、今回はBardも無料版を使っているので、Chat GPTも無料版を使っていきます。
まずは、2つのスタート画面の比較から。
どちらも同じように最初に提案として何個か項目が出てきます。ちなみに、私はダークモードを使っているので黒色の画面になっていますが、どちらも設定から白色にすることも可能ですので、設定から見やすい色を選択してくださいね。
次に比較表を作ってみました。
項目 | Chat GPT | Google Bard |
---|---|---|
開発者 | OpenAI*¹ | |
言語モデル | GPT-3 | LaMDA |
料金 | 無料(有料プランあり) | 無料 |
トレーニングデータ | インターネット上の巨大なデータセットから | Googleが持つ豊富なデータベースや知識ベースから |
情報 | 2021年9月までのもの | 常に更新中 |
一番の違いはトレーニングデータでしょうか。ChatGPTはインターネット上のデータからですが、BardはGoogleの持つデータからとなっています。またメリットにも書きましたが、無料版のChat GPTは2021年9月までのデータに対してGoogle Bardは常に新しいデータを持っているというのも大きな違いかと思います。
メリットの所でGoogle Bard に質問してみた「としまえん」についてChat GPT聞いてみました。
Google Bardは答えを出してくれましたが、Chat GPTは2021年9月までの情報のため答えられない、との答えが返ってきてしまいました。
としまえんは今何になった?
としまえんは、2020年8月31日に閉園しました。跡地は、2023年6月16日に、世界最大の「ハリー・ポッター」屋内型施設「ワーナー ブラザース スタジオツアー 東京-The Making of Harry Potter」として開業しました。
2021年9月までの情報に基づいてお答えしますが、2021年9月現在、東京都練馬区にある遊園地「としまえん」はその名称が変更されておらず、引き続き「としまえん」として営業されていました。 ただし、最新の情報については、公式ウェブサイトや関連するニュースソースで確認することをおすすめします。名称の変更やその他の変更が行われた場合は、公式情報源で最新の情報を確認してください。
英語の小説を日本語に訳してもらう
では比較として、有名なシャーロックホームズ「緋色の研究」から最初の文を翻訳してもらいたいと思います。
今回は「原文で読むシャーロック・ホームズ」というサイトから引用させていただきました。こちらのサイトはシャーロックホームズの原文が長編4、短編56の全60作品掲載されているので英語を勉強したい方やシャーロックホームズを原文で読みたい方にはとてもオススメのサイトです。興味ある方は是非サイトをのぞいてみて下さい。
ではChat GPTとBardに翻訳してもらいましょう。
IN THE YEAR 1878 I took my degree of Doctor of Medicine of the University of London, and proceeded to Netley to go through the course prescribed for surgeons in the Army. Having completed my studies there, I was duly attached to the Fifth Northumberland Fusiliers as assistant surgeon. The regiment was stationed in India at the time, and before I could join it, the second Afghan war had broken out. On landing at Bombay, I learned that my corps had advanced through the passes, and was already deep in the enemy’s country. I followed, however, with many other officers who were in the same situation as myself, and succeeded in reaching Candahar in safety, where I found my regiment, and at once entered upon my new duties.
原文で読むシャーロック・ホームズ
Sure, here is the Japanese translation of the text: 1878年にロンドン大学で医学博士号を取得し、陸軍の軍医として必要なコースを履修するためにネットリーに進みました。そこでの学業を修了した後、第5ノーサンバーランド連隊に外科助手として正式に配属されました。当時、連隊はインドに駐屯していましたが、私が合流する前に第二次アフガン戦争が勃発しました。ボンベイに上陸したとき、私の部隊が峠を越えて敵地に深く入っていることを知りました。しかし、私と同じ状況の多くの将校と一緒に追いかけ、無事にカンダハールに到着し、そこで連隊を見つけ、すぐに新しい任務に着手しました。 Here is a more literal translation: * 1878年に、私はロンドン大学で医学博士号を取得し、陸軍軍医のコースを受講するためにネットリーに進みました。 * コースを修了した後、第5ノーサンバーランド連隊に外科助手として配属されました。 * 当時、連隊はインドに駐屯していましたが、私が合流する前に第二次アフガン戦争が勃発しました。 * ボンベイに到着したとき、私の部隊が峠を越えて敵地に深く入っていることを知りました。 * しかし、私と同じ状況の多くの将校と一緒に追いかけ、無事にカンダハールに到着し、そこで連隊を見つけ、すぐに新しい任務を開始しました。 I hope this helps!
私は1878年にロンドン大学で医学の博士号を取得し、その後、軍の外科医のために定められたコースを受けるためにネトリーに進みました。そこでの学習を終えると、私は助手外科医として第5ノーサンバーランド・フュージリアーズ連隊に正式に配属されました。当時、連隊はインドに駐屯していましたが、私が参加する前に第二次アフガン戦争が勃発しました。ボンベイに上陸すると、私の部隊が峠を進み、すでに敵の国に深く進んでいることを知りました。しかし、私と同じ状況にある多くの他の将校と共に私も追いかけ、無事にカンダハールに到着し、そこで連隊を見つけ、すぐに新しい任務に就きました。
翻訳機能に関しては少し表現が違うところはあるものの、ほぼ一緒ですね。強いて言えばBardのほうが、段落ごとに訳したものも出してくれたので、分かりやすいでしょうか?
小説のあらすじを書いてもらう
次に小説を書いてもらいます。AI小説も最近よく耳にしますので、一度試してみたかったんです。
今回のテーマは会社名の「Cyber Ships(サイバーシップス)」に因んだキーワードを使って、あらすじをそれぞれ書いてもらいます。
サイバーと船のキーワードを使って小説のあらすじを書いて
2042年。世界は、海に覆われていました。海面上昇により、多くの陸地が水没し、人々は船で暮らすようになりました。 そんな中、ある船団が、新しい大陸を発見しました。その大陸は、豊かな自然に恵まれており、人々は新しい生活を始めました。 しかし、その大陸には、危険な生物も住んでいました。人々は、IT技術を駆使して、危険な生物と戦い、新しい生活を守りました。 人々は、IT技術と協力して、新しい大陸で幸せに暮らしました。 ある日、ある船団が、その大陸にやって来ました。その船団は、サイバー技術を駆使して、大陸の資源を独占しようとしていました。 人々は、サイバー技術の力に圧倒され、敗れそうになりました。しかし、ある一人の少女が、サイバー技術の力に立ち向かいました。 少女は、サイバー技術に精通しており、その技術を人々のために使いました。少女は、人々をサイバー技術の力から守り、大陸の平和を取り戻しました。 少女は、人々の英雄となり、その大陸で幸せに暮らしました。
タイトル: "The Cyber Ship: Shadows of Betrayal"(サイバーシップ:裏切りの影) 近未来の世界、海洋を舞台にした壮大な物語が始まります。主人公であるサムは、優れたサイバーセキュリティのエキスパートであり、最新の技術を駆使して海洋を航行する船のセキュリティを管理しています。 ある日、サムは船団の一員として船に乗り込み、重要な情報を運ぶ任務に就きます。彼の船は最先端のサイバーシステムによって運営されており、サイバーコネクテッドな世界と海の航海術が結びついています。 しかし、船団は裏切り者によって狙われていました。サムは敵のサイバーハッカーたちとの攻防戦に巻き込まれ、船が制御不能に陥る危機に直面します。彼は自身のサイバーセキュリティスキルと船の知識を駆使し、船の制御を取り戻すために奮闘します。 サムは、船内に潜む裏切り者の正体を暴くために仲間たちと協力し、船の中に広がるサイバーの迷宮を探索します。彼らはサイバーハッカーの罠と闘いながら、裏切り者が船団を狙う真の目的を解き明かすために奔走します。 物語は、サムと彼の仲間たちがサイバーセキュリティの謎を解き、裏切り者との壮絶なバトルに挑む姿を描きます。彼らは信頼と絆を築きながら、船とサイバースペースの融合した世界で生き残りをかけた戦いに挑みます。 "The Cyber Ship: Shadows of Betrayal"は、サイバーセキュリティと船の世界が交差するスリリングな冒険を描いた物語です。裏切り、サイバーハッキング、勇気と信頼の試練が主人公たちを待ち受ける中で、彼らが真実と正義を追求し、海洋の安全を守るために戦う姿を追います。
上がBardで下がChat GPTです。皆さんならどちらの小説が読みたいですか?
何回か小説のあらすじの作成を頼んでみましたが、Chat GPTは毎回タイトルと主人公の名前をつけてくれます。小説を書くのはChat GPTのほうが上かなと思いました。
個人的に感じた操作性の違い
文章のコピーはChat GPTが簡単
Chat GPTは回答欄のところに、コピーボタンがありますので、ワンクリックでコピー出来ます。Bardは「その他」のボタンからコピーを選ぶと出来ます。ワンクリックでコピー出来るChat GPTのほうがやり易いです。
質問内容を送信するのはBardがラク
PCでの操作での比較になりますが、質問内容を送信する際、BardはEnterを押せば送信が出来ます。ChatGPTは送信ボタンをマウスで押す必要があります。こちらは設定とかで変えることも出来るのかな?と思いますが、Enterで送信できるのが楽だと思いました。ただ、改行するのにShiftを押すのを忘れてしまい、誤送信して質問をもう一度やり直すことも稀にあります。
いかがでしょうか。無料版のChat GPTとGoogle Bardを比べてみました。
Chat GPTの無料版は現在2021年9月で情報が止まってしまっていますが、Chat GPTの最新バージョンを使いたい方はサブスクリプションでの有料版もありますので、Chat GPTを仕事でもバンバン使うという方やコーディングの手伝いをしてもらいたいという方は有料版を試すのも良いのかなと思いました。(ですが、月$20と結構お高めです…)
BardやChatGPTを使う際の注意点
BardやChatGPTのような対話型のAIは、利用者が質問した内容を学習するという特徴があります。そのため、個人情報や精密情報の入力をしてしまうと学習されてしまい、他のユーザーへ回答として流出してしまう恐れもありますので、質問する際は気を付けるようにしましょう。
Google Bardはこんな人にオススメ
・Googleのサービスをよく使う人
・無料で最新の情報を求めている人
メリットにも書いたように、Google BardはGmailやGoogleドキュメント、Googleスプレッドシートとの連携がすぐ出来ますし、Googleアカウントを持っていれば気軽に使えることから普段からGoogleのサービスを使っている方にとてもオススメです。また、現在は無料で使えることと開発中のため常に情報も更新されているため、無料で且つ最新の情報の入ったAIを求めている方にもオススメです。
おわりに
今回は、2023年の5月に日本語対応された「Google Bard(グーグルバード)」についてご紹介いたしました。
Google Bardは試験運用とは言え、とても便利な機能を持っています。
Googleアカウントさえ持っていれば、手軽に始められるAIツールですので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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